

オーストラリアプログラム

レポート
REPORTTAP 留学中の学生による
特派員レポート
こんにちは。今回はセメスターブレイクを経て始まった後半の授業や旅の体験をまとめてみました。授業のこと、現地でのちょっとしたハプニング、そして週末に訪れたビーチや観光地など、実際に体験して学んだことや感じたことを紹介します。留学生活の雰囲気を知りたい方や、これから海外での学びを考えている方の参考になれば嬉しいです。
1章 後半生活、ここからが本番
9日間のセメスターブレイクが終わり、いよいよ後半戦がスタートした。時間割はガラッと変わり、授業日は週3回(月・火・水)だけ。しかも私の場合、午後・午前・午後という絶妙なバランス。前半は毎朝9時に叩き起こされていたので、それに比べれば天国みたいなスケジュールである。
後半の授業テーマは「教養」。教室に閉じこもるだけでなく、フィールドトリップという名の「合法的な外出」が存在する。先週は「Australia and Asia」という授業で、西オーストラリア州立博物館に出かけた。展示品をただ眺めるだけでなく、「五感で学ぶ」という名のスタンディング授業。静かな展示フロアで「これ単位ついてるんだよな…」とふと思い出し、思わずニヤニヤしてしまった。
週4日は完全オフになるので、ついにパース観光モードが本格始動。この1か月だけでスカボロー・コッテスロー・スワンボーンの3大ビーチを制覇した。どこも日本の海より波が高くて主張が強い。その中でもスカボロービーチは圧勝で、太平洋に向かって「どうだ!」と言ってくるレベルの青さだった。これはもう、残りの滞在で「制覇したビーチの数=英語力」という新基準を作ってもいい気がする。
2章 言語の壁?それ、案外ゴム製かもしれない
「2か月もオーストラリアにいたら英語ペラペラなんでしょ?」と思われるかもしれない。答えは、半分YESで半分NO。
セメスターブレイク中、英語を話す場面はいくつかあった。メルボルンの空港で交通カード“Myki”の場所を聞いたとき、説明が長すぎてほぼ聞き取れず。しかし最後に「Water」だけ聞こえたので、「給水所の近くかな?」と勘で向かったら普通に見つかった。
カフェでも同じようなことがあった。店員さんが何か言いに来たが、聞き取れたのは”kitchen will stop”だけ。つまり「ラストオーダーだけど大丈夫?」と聞いているのだと察し、無事コーヒーにありつけた。
この2つの経験から分かったのは――
英語は全部分からなくていい。重要ワードを拾えば8割勝利。
しかも、道を聞いたり注文したりするときに使う英語なんて、中学生レベルで十分通じる。むしろ日本語の敬語より易しい。さらに、カフェの店員さんはやたらフレンドリーで、こちらが何か言う前に話しかけてくる。そこで、” I like Perth. Very sunny.”みたいな語彙2.5個くらいの返事でも普通に会話が成立するから面白い。
某バラエティ番組で芸人が海外でムチャなロケをしているが、あれが成立する理由がわかった気がする。「正しい文法」より「伝えたい気力」のほうが強い言語になるらしい。
3章 波乱万丈セメスターブレイク(後半)
さて、ここからは旅の話。11時間かけてたどり着いたシドニーセントラル駅。交通カード「OPAL」を買おうと売店に入ろうとした瞬間、見知らぬおばさんに「これ買って!」と塞がれる事件が発生した。私が放った唯一の防御文は “No, I don’t have money.”すると本当に通してくれなかったので、潔くセブンで買った。
その後は大聖堂と美術館を巡り、観光フルコースを堪能。翌日はブルーマウンテンズへ。カトゥーンバ駅まで電車で約2時間。ここで事件(良いほう)が起きた。
シドニーの電車、走行音が日本のE233-3000系やE531系と完全に一致。
異国の地で突然ホームシックを治療してくるタイプの車両。後で調べたら同じ日立製IGBT搭載らしい。ありがとう日立。あなたのおかげで私は今も元気です。
到着したスリーシスターズは写真以上の迫力で、山というよりRPGのダンジョン入り口みたいだった。翌日はオペラハウスのツアーに参加して劇場内部に圧倒され、フェリーでハーバーブリッジの下をくぐった。下から見る橋は、遠くから見る「優等生」ではなく、近距離で見る「筋肉自慢の体育教師」だった。
最終日は順調に空港へ行ったものの、飛行機は30分遅延。しかし、何があっても帰れると分かってからの遅延はただのおやつ時間。午後3時頃、無事にパースへ帰還した。
結び 「語学力」より「行動力」がモノを言う
留学生活の前半が終わり、少しだけ分かったことがある。
言語の壁は思っていたほどコンクリートではない。
むしろ、押したら凹むスポンジぐらいの弾力がある。
完璧な英語が話せなくても、伝える気さえあればなんとかなる。週4日の休みがあるなら、家にこもるより外に出たほうが楽しい。ビーチ巡りでも、電車旅でも、おばさんに話しかけられるのでもいい。
この留学のゴールは「英語がペラペラになること」じゃなくて、「自分でも案外いけるじゃん」と笑いながら言えるようになることなのかもしれない。
後半戦も、ゆるく、でも大胆に攻めていこうと思う。







