

オーストラリアプログラム

レポート
REPORTTAP 留学中の学生による
特派員レポート
1. 課外探索が多い後半の授業
後半の僕の授業は、月火水曜日の順に”Australia and Asia”, “Sustainable Urban Design”, “Digital Storytelling”である。時間帯は月火水曜日の順に午後、午前中、午後のみであった。月曜の授業は六回のうち二回は教室での座学、三回は西オーストラリア州立博物館、フリーマントル、パース駅周辺を散策する授業、最終回はプレゼンテーションであった。火曜の授業では初回は教室で行い、二回目以降はClaisebrook、Subiaco、Wellard、North Fremantleでの散策授業、最終回はプレゼンテーションであった。水曜の授業は三回目まで教室、四回目は西オーストラリア州立美術館、五回目はフリーマントルの散策であった。最終回はプレゼンテーションであった。これらの授業はジャーナルの宿題があり、毎週200語以上の英文で振り返りを書き、絵や写真を加える必要がある。ジャーナルは授業成績の点数配分を大きく占めるので注意が必要だ。水曜の最終課題は、25枚以上のコラージュや編集を加えた写真でストーリーを作ることなので多くの人が時間を要している。課題をしっかりやり遂げて最終プレゼンで発表できれば単位が取れる。
私の場合、火曜日の授業は9時半からの午前中授業だったので校外での散策授業の際は早起きをする必要があった。朝のシャワーを浴びる際は列車走行音をタイマーとして使い忙しい朝だった。前回の特派員レポートを深夜帯に書いたあと寝たら9時半過ぎに起きるという寝坊をしてしまい午後の授業に参加した。午前中参加できなかった場合は午後に参加すれば出席扱いになる。朝頑張って午前中に参加できれば授業後の解散後は自由時間になる。僕は、パース駅近くにあるとんかつ屋、Claisebrook駅の車両基地を見学などと有意義に過ごせた。
2. 大幅な効率化に成功した食生活と、19歳でも可能な飲酒
前回書いたように自炊は作り置きにより週二日か三日の料理だけで済むという大幅な効率化に成功した。ナポリタン、肉じゃがを作る機会が増えた。ナポリタンは留学初期のトマトパスタより材料、味付けが大幅に向上し天と地の差であった。火曜の授業後に不二マートで焼きそばと麻婆豆腐の食材を集めて作ったら美味しくできて安心感があった。スーパーマーケットColesで味付けされたカンガルー肉が売っていたので焼肉として食べたが食感と味の両方から私の口には合わなかったので友人とカレーライスを食べた際に譲渡した。
オーストラリアでは18歳からの飲酒が可能だ。寝台列車で飲んだバンダーバーク社のジンジャービールのおいしさを鮮明に覚えていたので、午前授業後にアルコールが入っているバンダーバーク社のジンジャービールを買って夜に飲んでみたがとても甘くて美味しかった。一緒に飲んだ人も美味しいと喜んでいた。ワインも試してみたが苦くてまだ美味しいとは感じない。まだ子供なのか?
3. 寮での生活規範と、良好な人間関係や心のケアとはなんだろう?
我々が使っている寮は五人のルームメイトで同じキッチンや冷蔵庫、テーブルを共用している。トイレ、シャワーは共用のものが二つあり五人のうち二人~三人で共用している。ベッドがあるところは個室になっているためプライベート空間になっているがそれ以外は共用であるためルームメイトの生活習慣と交えて使うことになる。これらの共用の設備を使うにあたってはルームメイトが使う際に不快にならないようにする必要がある。我々はこれまでの暮らしによってそれぞれ生活習慣があり今までしてきたことが「普通」なのだろうけれど、部屋の治安はその人それぞれの「普通」がルームメイトに迷惑をかけているか否かで左右する。私の部屋はルームメイト全員が皿洗いは丁寧に行い、時々掃除機をかけたり、ゴミ出しをしたりと清潔感が保たれていたのでトラブルは発生しなかった。自分の生活習慣や共用設備の使い方は他者に迷惑をかけていないだろうか、公序良俗に反していないかと考えるべきである。
TAPではまだ話したことのない都市大生と話す機会が多くある。外国人と話す機会や頻度は、バディーとよく遊ぶこと、ルームメイトに外国人が含まれていてよく話すようになるか、言語交換パートナーと頻繁に連絡をとり対面する機会を作っているかが大きく左右すると思った。これらの全員と日本人も含め共通することだが、次に遭遇したときに心地よい印象で挨拶ができているかがその後の関係に大きく影響していると感じた。挨拶は相手に敵意を持っていないことを示す簡単なコミュニケーションだ。
最近はSNSが発達し、誰がいつどこで何をしているのかを簡単に共有できる時代だ。都市大生数十人が近くで住んでいるうえでSNSが繋がっていればその人たちが何をしているかがわかる状態である。SNSは有意義な時間を過ごしていることを共有できるものであるが、ある意味それは暗い部分は発さずにキラキラした部分が大多数を占めているため、自分と比べて発信者は常に明るい時間を過ごしているという錯覚をしてしまいがちである。SNSが発達する前や、自分自身がスマホやSNSを使う前の時代と比べるとこれは極めて異常な状態である。留学生活三か月半も海外で生活していて困らないことが無いわけがない。自分が暗い気分や困っているときにそのような他人のキラキラした情報はまさに自分にとっては不要である。自分へのケアとしてやってみた方法は、交通費が安いので電車で終点まで行き周辺を歩いたあと帰る、スーパーやどこかの店で好きなアイスを買うことだ。やりやすいことであれば思いついたことをすぐに行動してみると結構楽しく終わることができるし落ち着ける。
4. 週休4日の後半生活
後半の授業は月火水曜日のみなので木から日曜日は休みである。寮でゆっくりするのも良いし、どこかに出かけることもできる。5月8日木曜日は、都市大生主催のJapan Festivalが行われた。私は冬ブース担当ボランティアをやってみたのでセメスターブレイク前から同業者同士で何をするかを話し合い手作りおみくじやお菓子を準備した。祭り当日は言語交換パートナーとその友人が遊びに来てくれた。冬の書道コーナーでは半紙とうちわが余ったので地名や地元の駅名を書いている都市大生が多かった。私は好きな列車種別である「F特急」をうちわに書きオリジナルのものを作った。これはその後自分の寮の部屋の窓に文字が外側に見えるように飾った。その次の日のTAP最後の遠足ではCaversham Wildlife Parkに行きファームショーが面白かった。
ピアノは時間があれば毎日寮のピアノ室で練習している。ある日ショパンを弾き終わった直後に扉をノックされて初対面の外国人学生から、「大学でレコーディングするから来ない?いつ空いている?」と言われて最初は何のことかはっきりとわからなかったがレコーディングは初めてだったし暇な時間は結構あったので連絡先を交換し来週の金曜日会おうと言い約束した。当日の夕方18時に会い、いったいどこで行うのだろうと思いながら着いた場所は、後半の授業で使っているのと同じ建物の中にあるサウンドステージだった。後々話して知ったのだが誘ってくれた彼はアメリカから音楽技術を専攻している留学生で驚いた。収録現場には彼の友人がほかに二人集まり、ピアノをステージに運んだあと上前板を外し本格的なマイクが弦の近くに二本設置された。また、ピアノのすぐ後ろにも二本のマイクが設置された。あまりにも本格的過ぎるうえ想定外で、せっかくだからと3人が準備している間に寮に戻りスーツに着替えた。弾ける曲は4曲あったがレコーディング自体が最初の経験なので久石譲の”Summer”を弾いた。イヤホンをしてスタジオコントロール室にいる主催の彼と話しながら進めた。弾くときもイヤホンをしながら弾くように言われた。その後右手部分だけを1オクターブ上げた状態で弾くように言われ、3時間にわたる収録作業が終わった。コントロール室で弾いたものを聞いたが音質がとてもよくて驚いた。片付けをして22時を回り、次回はショパンを収録してほしいと伝えて別れた。
僕が留学している間に都市大の鉄道研究部は東京都市大学塩尻高等学校にてイベントに参加しており、日曜日で私も暇だったのでDiscordのビデオ通話で参加した。塩尻にいる子どもたちと高校生とも話せて楽しかった。この後もこの日は暇だったので一度はやってみたかった998系統の路線バスを完乗した。日中15分ごとに運行され、フリーマントルやMurdoch駅に行くために留学期間中最も乗車回数の多いバスであるが、実はこの系統はフリーマントル駅からパースの郊外を3時間15分ほどかけて環状する長距離路線バスなのである。ドライブ気分で前ドアすぐ先頭の座席にずっと座り前面展望を楽しんだ。パースのバスは道が広いうえ直線が長く信号間隔も広いので70km/hほどの高速で走るので爽快であった。2時間半ほど乗ったところで途中下車しハングリージャックスで夕食を済ませて再び1時間乗り寮に戻った。スマホで走行距離を85kmにも及んでいて長距離であることを実感できた。また日曜日でバスは無料だったのでこの日は夕食代だけで楽しめたので非常に有意義であった。
前回も書いたがThornlieの鉄道建設は5月15日、16日と再び視察してきた。四回目の視察である。これは、Cannington~Cockburn Centralを結ぶ新たな鉄道路線Thornlie-Cockburn lineの建設状況を、去年度TAPに参加した鉄道研究部の先輩が見ており、今回の留学で現在の建設状況を撮ってくるように託されたわけである。貨物線の横に新たな旅客線が建設されており、Thornlie駅はピカピカだった。初回行ったとき試運転に遭遇したが橋の上で撮れなかったので何度か現地に行き四回目の5月16日にようやく順光できれいに撮ることができた。この話題には落ちがあり、なんと開業する日が日本に帰国する日から5日後の6月9日であることを知った。あと1週間帰国が遅ければ開業した姿を見て乗ることができたと思うと残念だ。次のサイクルか来年TAPに参加する人はぜひ乗ってみてほしい。
そして先輩には模型ショップで鉄道模型が売っているか見てきてほしいと言われたのでパース駅近くの店に行ったがまったく売っておらず、店員にきいたらたくさん売っているところを教えてくれたので後日そこに行ってみた。ビデオ通話で部員と話しながら店内を見たが、車両は様々売っているものの全く知らない海外のものばかりでトランスパースさえもなかった。日本製のKATOとTOMIXが売っていたことには驚いた。
5月18日は言語交換パートナーの友人と都市大生数名で西オーストラリア州立水族館に行った。僕のパートナーは運悪く欠席だった。僕は2回目の訪問だが外国人の友人と遊ぶのが目的だったので2回目の訪問であることは気にならなかった。朝から車で連れて行ってもらい、昼食後はYo-Chiでアイスを食べた後キングスパークで日没を見届け1日が終わった。
このレポートは提出期限を二週間過ぎて帰国後の6月10日に書いているため振り返りとなっているが、セメスターブレイクの旅行のあとの後半の生活は体感時間が早すぎた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | |
29 | 30 |